東京高等裁判所 昭和60年(う)1026号 判決
被告人 齋藤孝光
〔抄 録〕
職権で原判決の法令の適用を調査すると、原判決は、被告人の原判示所為が盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律三条、二条、刑法二四三条、二三五条に該当するとし、三犯の加重をした上で、更に、それが未遂であるとして同法四三条本文、六八条三号により法律上の減軽をした刑期の範囲内で被告人を処断しているが、常習累犯窃盗については、本件のように当該窃盗行為自体が未遂である場合であっても、未遂減軽をすることができないことは、常習累犯窃盗罪の構成要件を規定した前記各法条に照らし文理上明らかであるから、原判決の法令の適用には誤りがあり、その誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかであるといわなければならず、原判決は破棄を免れない。
(佐々木 田村 本郷)